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- 私立歯学部入試では後期入試、2期入試が難しくなる2つの理由と、そうは言っても心配しなくていい理由
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この記事の目次
1.私立歯学部の後期・2期入試を、ぜひ活かして欲しい
私立歯学部一般選抜(一般入試)には前期・1期と後期・2期があり、17の私立歯学部全てで後期・2期入試を行っています。
「前期・1期入試で第一志望校には残念ながら合格出来なかったが、他の歯学部には合格出来た」という受験生もいると思いますがこういった場合、私は第一志望校だけは後期・2期入試も受けた方がいいと考えています。
第一志望校の合格を目指して受験勉強を続けてきたわけですから、受験機会があるのなら最後まで粘って欲しいと思います。
後期・2期入試を受けることなく歯学部に進学した後も「本当は、あの大学に行きたかったんだけど」というモヤモヤした気持ちをいつまでも引きずるのは良くないと思います。
第一志望校にそれほど思い入れが無いのであれば、合格をいただいている大学に進学するのもいいと思います。
ただ、多くの歯学部受験生は、「第一志望校に合格したい」という思いを持って受験勉強に向き合ってきたと思いますので、仮に思うような結果ではなくても最後までやり切った方がスッキリすると思います。
2.私立歯学部の後期・2期入試が難しくなる理由
さて、私立歯学部一般選抜(一般入試)の後期・2期入試は前期・1期に比べて難易度が上がります。
その理由ですが、1つには「募集人員が少なくなる」です。
例えば、東京歯科大学の1期入試の募集人員は約50名ですが、2期入試の募集人員は約15名になります。
50名と15名ではかなり差があります。
日本歯科大学生命歯学部の募集人員は、前期は約53名、後期は約10名、大阪歯科大学一般選抜も前期約58名、後期約10名と東京歯科大学と同じように前期と後期では募集人員に大きな差があります。
また、昭和大学歯学部一般選抜の募集人員を見ると1期42名に対し、2期は5名と激減します。
このように後期・2期入試では募集人員が少なくなりますのでその分、難易度が上がります。
3.私立歯学部の後期・2期入試には新たな強敵が参入してくる
私立歯学部の後期・2期入試の難易度が上がる、もう1つの理由は「後期・2期入試には、本来は医学部志望の受験生が受けてくる」ということです。
医学部入試は大学入試全体の中でも突出して難しい入試です。
駿台予備校や河合塾などが発表している「歯学部の偏差値ランキング」と「医学部の偏差値ランキング」を見ると、歯学部と医学部では「偏差値」に大きな差があります。
例えば河合塾の「私立医学部偏差値ランキング」を見ると最も低い偏差値は、川崎医科大学の偏差値60.0です。
「私立歯学部偏差値ランキング」で最も偏差値が高いのは東京歯科大学と昭和大学歯学部の偏差値52.5です。
私立歯学部で最難関とされた大学の偏差値と私立医学部で最も易しいとされた大学の偏差値には7.5の大きな差があります。
2つの偏差値ランキングを見ると、東京歯科大学や昭和大学歯学部に余裕で合格できるレベルの受験生でも、私立医学部入試の合格は厳しいということになります。
河合塾は「私立歯学部の最難関校に合格するレベルでは、私立医学部の合格は難しい」としています。
もう1点、忘れてはならないことがあります。
それは、「私立医学部入試では理科は2科目必要」ということです。
歯学部志望者は、理科は1科目で済みますが受験勉強に使える時間が限られている中、医学部志望者は理科を2科目やっていて、その上での「偏差値」です。
「私立医学部に合格出来なかった受験生」とは言え、私立歯学部受験生にとっては大変な強敵となります。
そして、医学部受験生の併願先として多いのが歯学部です。
私立歯学部後期・2期入試には「本来は医学部志望の受験生」という新たな強敵が参入してきます。
募集人員が少なくなる上に「医学部志望者」という強力なライバルが入って来ますので難易度は当然、上がります。
4.とは言え、私立歯学部の後期・2期入試を心配しなくていい理由
これだけ聞くと受験生の皆さんは、「後期・2期入試は受けても無駄」と思うかもしれません。
そうとも言えないのが私立歯学部入試です。
私立医学部志望者が歯学部を併願する際、併願先として選ぶ歯学部は限られています。
偏差値上位の東京歯科大学、昭和大学歯学部、大阪歯科大学といった大学が多くなります。
全ての歯学部後期・2期入試に医学部志望者が参入してくるわけではありません。
偏差値上位の歯学部では後期・2期入試で医学部志望者のことを気にしなければなりませんが、多くの私立歯学部では医学部志望者のことをほとんど気にしなくて構いません。
もう一つ、「そもそも私立歯学部後期・2期入試を受けてくる受験生は、これまで歯学部に合格出来なかった受験生」ということもあります。
「前期・1期で歯学部の合格通知は受け取ったが、後期・2期入試でより志望順位の高い大学を受ける」という受験生もいることはいますが、極めて少数です。
前期・1期で歯学部の合格通知を受け取ってしまうと、受験勉強から解放されたい気持ちが強く「受験は、これで終了」となってしまいがちです。
受験生のプレッシャーは非常に大きいものがありますので、「早くプレッシャーから解放されたい」という気持は強いのでしょう。
5.私立歯学部の後期・2期入試は、自分と同じような学力の受験生との戦い
実は私立歯学部の後期・2期入試を受けてくる歯学部受験生の中にはそう多くの強敵がいるわけではありません。
これまで、なかなか歯学部に合格出来なかった同じような学力の受験生との戦いになります。
私立歯学部の一部の人気校を除けば、後期・2期入試を必要以上に恐れることはありません。
それまで合格に至らなかったとは言え、怯むことなく後期・2期入試に立ち向かって下さい。
前期・1期入試で感じた自分の弱点部分をしっかりやり直す時間はあります。最後まで手を抜くことなく、目標に向かってください。
歯学部入学後の勉強は大変厳しいものがあります。最後まで頑張り抜いた経験は、歯学部入学後に必ず生きて来ます。
きっといい結果が待っていると信じて、最後までやり抜いてください。