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国公立医学部医学科、志願者2年連続減少はなぜ?

目次

 

1.2025年度 国公立大学医学部医学科志願者数

駿台予備学校が2025年度の国公立大学一般選抜の志願状況を分析しています。

その中で、医学部医学科一般選抜の志願状況についても分析をしていますので、ご紹介いたします。

 

2025年度 国公立大学医学部医学科 一般選抜志願者

(人)

  2025年増減数指数2024年2023年
募集人員前期3550-269935763593
後期346-599351363
合計3896-319939273944
志願者数前期15306-667961597315960
後期6651-4129470637550
合計21957-1079952303623510

国公立医学部医学科2025年度一般選抜は前期と後期を合わせて3896人の募集人員で行われました。募集人員は前年度に比べ31名、一昨年度に比べ48人の減少です。

 

募集人員3896人に対し志願者は21957人で、志願倍率は5.64倍となりました。私立大学医学部の一般選抜では志願倍率は10倍以上が当たり前で、中には100倍に近い倍率の大学もあります。

 

それに比べれば国公立医学部の志願倍率は低いのですが、これは共通テストの自己採点で合格の可能性がかなり正確に分かるため、受かる可能性を考えた出願をする受験生が多いことからです。

 

2.国公立大学医学部医学科の志願者数は2年連続で減少

志願者の話に戻りましょう。

国公立大学医学部医学科一般選抜前期・後期の合計志願者数は減少傾向が続いていましたが2022年度、2023年度はコロナ禍による医療への関心が高まったこともあり、2年連続で志願者は増加しました。

 

しかし、続く2024年度そして今年2月、3月の2025年度一般選抜では医学部医学科の志願者は2年連続で減少しました。

 

一般選抜前期日程の志願者は前年の2024年度に比べ667人、一般後期日程の志願者は前年に比べ412人、合計1079人の志願者減となりました。

 

志願倍率は前期が4.31倍で、後期の志願倍率は19.22倍となりました。

後期日程の倍率が高いのは、募集人員が前期の10分の1ということが大きな要因です。

3.志願者現象の理由

 国公立医学部医学科一般選抜の志願者が減少した理由について駿台予備学校は「2022年度、2023年度と2年連続で志願者が増加したことに伴い難易度が高まったことから、受験生に敬遠された」としています。

 言葉を変えて言うと「根強い医学部人気はあるものの、入試難易度が高くなり過ぎた」ということでしょう。

 医学部医学科を志望していたものの、共通テストの自己採点結果を見て、「医学部合格は厳しい」と感じた受験生は医学部から他学部に志願先を変更したと考えられます。

 志願変更した受験生の出願先として歯学部が挙げられます。

医学部が志願者を減少させた2年は、歯学部が志願者を増加させた2年でもあります。

ちょうど、裏表のような関係になっています。

 

4.大学別、医学部医学科志願状況

 大学別に一般選抜の志願者数を見て行くと前期では富山大学が340人の志願者増、滋賀医科大学が121人、宮崎大学が132人、鹿児島大学が148人の志願者増となりました。

 

一方、前期日程で志願者の減少が目立った大学は福島県立医科大学が272人、信州大学が170人、福井大学が158人、三重大学が350人、山口大学が118人、長崎大学が142人、といった大学での前期志願者減が目立ちます。

 

後期で志願者を伸ばしたのは東北大学の284人、山口大学の201人が目に付きます。

後期日程で志願者減が目立つのは山梨大学の419人、福井大学の158人、宮崎大学の112人でした。

 

なお、近接の鳥取大学と島根大学の前期志願者数を見ると、鳥取大学は189人の志願者増に対し、島根大学は131人の志願者減で、受験生がこの2校で迷っている様子が伺えます。

 

この他にも三重大学と滋賀医科大学にも同じような動きが見えます。

 

5.志願者数変動の大きな理由は、「反動」

 国公立大学医学部医学科の志願者増減の要因としては、「第一段階選抜の基準変更(足きり基準の変更)」、「募集人員の変更」といったものが挙げられますが、多くの大学で見られるのは「前年の反動」です。

 

前年に志願者が増えた大学では志願者が減少しがちで、前年に志願者が減少した大学は志願者が増加しがちな傾向にあります。

 

 

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